治安事情−エリアと住民によって違うロンドンの住み心地
ロンドンは多種多様な民族・宗教・性格・身分(?)の人々が集う街。例えば,住民の半数以上は外国人で、「イギリス人」であったとしても田舎から出てきていたり,「イングランド人」ではなかったりする。そのため地域によって大まかに住む人が違っている。その関係で治安がよかったり、おしゃれだったり、物価が安かったりするわけである。こんなことは不動産屋さんに聞いたほうが早いのだろうけど、口コミを侮るなかれ、ということで。
ロンドン中心地
大きく分けるとロンドン中心地は東と西に分けられる。ど真ん中はさておいて、西の方が評判はいいようである。バッキンガム宮殿やハイドパーク、高級ショッピングストリートなどもあったりして、建物も古いのだけど伝統と歴史の重みを感じさせるものが数多い。お値段のほうも相当のものらしい。道行く人々も観光客を除けば、白人の立派な紳士・淑女(にみえる)が多い。
逆に東の方はどういうわけだか一大南アジア街が出来上がっている。つまり、インド、パキスタン、バングラディシュの人々がごちゃごちゃとした天井の低い建物の中に密集して住んでいる。
実は私、昔このエリアに住んでいた。住民の80%は南アジア人、15%が白人、残りが黒人とその他アジア人。・・・という風に見えた。
近所のお店もほとんど南アジアの人達によって経営されており(安い!)、ここは本当にイギリスでしょうか、といった風情だ。
治安はそこまで悪くない。南アジアの人達はよく働き、夜はぐっすり眠るのか、割と平和なものであった。
周辺地域
中心地から少し離れたところに目を移してみる。
おおまかに中心地を取り囲んで、北東、極東、南東、南西、極西、北西となる。
北東はカムデンタウンの北側に広がる地域で、割と平和な住宅エリアである。
ただし、この当たりは本当に人種的にミックスしている。
アラブ人、インド人の超大金持ちが住むエリアもあり、イギリス人の中流家庭のエリアもあり、ヨーロッパ、アジアからきた労働者や学生も多い。奥のほうに行けばカリブ人、黒人の固まって住んでいるエリアもある。ようするに、種類の違うグループが隣り合って住んでいる感じ。
ハックニーと呼ばれる治安が悪くて貧しいエリアも含まれている。アーティストの卵が多く住んでいると聞いたが,ちょっとすさんだ感じの人が多かったので,あまりいい印象は無い。
ロンドンは大体こうなのだが、それにしてもこの当たりは本当に均等に混ざっているな、という印象がある。
極東は南アジア街に続いて広がる地域。中心地に近ければ近いほどアジアである。
が、ここは世界的に有名な金融街に近い為、南やもっと東の方面には閑静な住宅街が並び、かなり過ごしやすい地域である。大きな公園もたくさんあり、テムズ川も近く、優雅な生活が送れそうだ。
南東は悪名高いブリクストンを含んでいる。治安がとにかく悪い、少なくても悪く見えてしまう。
その地域で日本人大学生が夜の9時ごろ、大学内の図書館から歩いて数分のところにある学生寮に帰宅途中にレイプされてしまったらしい。まだ夜も早いうち、しかも大学の中で。
何でもその地域は、貧しい黒人の人達の住む家がたくさんあるらしく、その関係で治安があまりよろしくないらしい。
ただし、ここには楽しいクラブがたくさんある。いわゆる中心地にあるコマーシャルな人気クラブと少し違って、本当に音楽とダンスと人を楽しめるところ。それに天井が低くて狭いけれども,家賃の低い物件がたくさんある。もちろん物価も低い。
・・・何が大切かは本人次第である。
南西は平和である。ブリクストンの西のほうにあるわけだが、この辺りは最近若くてまだ結婚していないイギリス人の間で人気がある。
こぎれいで中心地、仕事場からも近く、いいレストランや公園もあるし、一人暮しの遊びたい盛りにはぴったりの場所ということらしい。
実際テムズ川の南側のこの地域、レストラン、バーの数が半端ではない。若いイギリス人もどこから出てきたの、というくらいうじゃうじゃいる。大体がいい職を持っているので、身なりも人もいい。この地域の家は、古いけれども広くて大きな部屋が多い。最近家賃が高騰していることを除けば、住むにはなかなかいいところである。
極西は住宅街の一言に尽きる。ヒースロー空港と中心地の間にあるためか、日本人のご家族にも人気が高いらしい。全般的に家族で住んでいる中流以上の人が多い為、平和で落ち着いている。公園もたくさんあり、家自体もこぎれいである。中心地に近づくにつれ、治安は悪くなるものの、基本的に安心して住める地域であるといえる。
北西もまた住宅地である。中心地の近くには外国人労働者が多く、かなり治安の悪いエリアが広がっているが、離れた地域はイギリス人中流家庭の平和な住宅エリアである。電車の中から街が一望できるのだが、家々が流れるように立ち並ぶ風景は本当に美しい。家賃、物価は高いらしいが、イギリスっぽいエリアであると思われる。
ぐるっとロンドンを見まわしてみたが、かいつまんで言うと、
貧しいエリアは物価が安く、治安が悪い、家も一軒家でなくマンション形式(人気がない)のものが多い。
人々が金持ちなエリアは逆。物価、家賃は高いが、平和で素敵な住宅が並ぶ。ただし中心地から遠い傾向がある。
私は学生なので、安めで治安がよく、中心地からそう遠くない、すこしばかりこぎれいでイギリスくささのただようエリアに住みたかった。
最初のうちは北や東のほうを転々としていたのだが、安くて治安がまあまあ、となると、どうしても南アジアの人と住むことになる。彼らはそういう場所に住んでいるからだ。
南アジアの人は嫌いではない。愛想はないけどよく働くしいいかげんなことはあまりしない。
だけど、私はある日、あまりに「イギリス」と触れ合っていないことに気づいた。英語でしゃべっていても、「イギリス」文化に接していたとは言いがたい。そこで白人人口の高い南西エリアに移ってきたのである。
治安は前よりもいいし、おいしいレストランはいっぱいあるし、何より若くて愛想のいい正統派英語をしゃべる人がほとんどである。家賃は高くなったが、それでも自分の幸せと満足度を考えれば、これでよかったのではないかと思う。