食べ物事情3
−ファストフード
ロンドンのファストフードは多岐に渡る。マクドナルドやバーガーキングといった、アメリカ系大企業のチェーン店から、個人経営のケバブ屋にいたるまで。「テイクアウト」するものをすべてファストフードといってしまうならば、レストランより多いと思われる。
ロンドンの食生活は、ファストフードなしには語れない。
なんでもかんでも「テイクアウェイ(テイクアウト)」だ。
ファストフード店の特徴は、
レストランより値段が安い
どこにでもある
酒はない
の三点である。
どうしてこんなにいっぱいあるのか、確たる理由は知らないのだが、ある友人が言うには
「イギリス人って料理しないからじゃない」
なのだそうだ。
確かにイギリス料理は妙に手間のかかるものが多い。
忙しいロンドン人にはあまり向いているとはいえない。
数年前までは現在のようにレストランブームでもなかったそうなので、しかたなくファストフードを利用していたのだろうか。
都市病である。
とにかく、いろいろな種類のファストフード店があり、人々は場合に応じて使い分けているのである。
夜のファストフード
まず、伝統の(?)フィッシュ&チップス屋。
ソーセージや缶ジュースなんかも置いてある。
仕事帰りのおっちゃん達に人気があるので、いつも11時くらいまでは経営している。もちろん昼ごはんとして食べてもよし。
フィッシュは味がなくて困り者だが、揚げたてのポテトはすごくおいしい。
次にトルコ系の ケバブ屋。
鉄串にささったケバブがくるくると回っているのが見えたら、それはほかに何を売っていようともケバブ屋だ。
ひらたいパンに生野菜とケバブをはさんだサンドウィッチはなかなかいける。
中身のいっぱい詰まった揚げパン、サムサをつけると完璧だ。
ところで「飲みに行った帰りはケバブ」というのは、もはや常識らしい。
郊外の駅の周りには、必ず一軒以上の店がある。
このケバブ屋と一緒にセットになっていることが多いのが、インド系のファストフードだ。
ビーフ、ラム、チキン、えび、野菜などのいろんな種類のカレーがある。
カレーしかないがかまわない。
あまりにカレーが普及しているので、ロンドン人はカレーをイギリス料理と思っているのだから。
大体ご飯も売っているので、一緒にパックにつめて電子レンジで暖めてくれる。
(電子レンジがない家もあるのだ)
ロンドンのインド系料理ははずれが少ない。
それから中華系テイクアウェイ店。
これも全英中にあるので、第二のイギリス料理といってもいいのではないかと思う。
しかし、どちらかというと夕ご飯の代わりになっているようだ。
その証拠に、レストランが山ほどあるセントラルには、こういった店は全くない。
経営者の出身地により、微妙に味とメニューが異なるが、大体ファストフードとしてはかなりおいしい。
注文してから作ってくれるところもいい。
お品書きは、スープ、焼き飯、焼きそば、肉の炒め物、野菜の炒め物、餃子に春巻きなど、なんでもある。
夕ご飯を作りたくない主婦の友的ファストフードである。
最後にピザ屋。
これは配達のほうがポピュラーなようだ。
日本と一緒だが、1,2週間に1回ビラが配達される。
ピザといえばイタリア、のはずだが、イタリア人が経営している配達ピザ屋などあまりみたことがない。
ドミノピザなどの大手を除けば、インド系のピザ屋が多かった。
味はまあまあ。
リビング・ルームで映画を見るときは、やはりピザが一番である。
昼のファストフード
いわずと知れたサンドウィッチ屋である。
主にヨーロッパ人が経営している時が多い(イギリス人含む)。
個人経営の店 だと、ショーウィンドウにいろいろな具が並んでいるので、それを選んでパンにはさんでもらう。
パンの種類も選べることが多い。
ハム、ベーコン、えびにアボガド、チーズに野菜、サンドウィッチの種類は豊富である。
イタリア系の店では、サンドウィッチをトーストして、パニーニを作ってくれる。
他にもチェーン店のサンドウィッチ屋がたくさんある。
カフェと一緒になっていたり、カフェのほうが本業だったりする。
パックにつめたサンドウィッチや、サラダ、フルーツ、缶ジュースに、温かいコーヒーや紅茶までそろう。
味のほうは問題ない。
たまに寿司をパックに詰めて売っているところもあるが、イングリッシュ・スシなので、あまり期待できない。
ビジネスマンや学生はよくこういったサンドウィッチ屋で、昼ごはんを調達している。
だから、これらの店は夕方5時くらいになると閉まってしまう。
次にくるのが、大御所、ハンバーガー・チェーン店である。
安い順に、マクドナルド、バーガーキング、ケンタッキー・フライドチキン。
この三つしかないのではないだろうか。
しかし、この三つがいたるところにある。
内容は日本と一緒だが、心なしか量が多いかもしれない。
ああ、それにマクドナルドなどは、「ロンドンスペシャル・バーガー」も売っている。
名づけて「カレー風味・スパイス・バーガー」である。
こういった店は、子供と若者、家族連れでいつもにぎわっているが、ビジネスマンはあまり見かけない。
他には、ローカルの食堂。
食堂なのだが、ファストフードだ。
安いし、どこでもあるし、酒はない。
ハンバーガー、ケバブ、スパゲティ、カレー、フィッシュ&チップス、といったものが食べれる。
味はあたりはずれが大きい。
というか、個人的には一番はずれが多かったのはこの系統の店だ。
塩と胡椒もテイクアウェイさせてくれるとよかったのだが。
変り種でオリエンタル・ファストフード店などというのもある。
オリエンタル=中華&日本&タイ料理の店である。
昼食として高いジャンルに入るので、ビジネスマン達が常連客のようだ。
金融街シティにある店を一軒知っているが、オーナーはペルー人と日本人のハーフだった。
食べ物は、寿司、てんぷら、餃子、焼きそば、うどん、そばなどなど。
味のほうは、日本料理だと思わなければいける。
特に寿司とてんぷら。
決して日本料理の基準を求めてはいけない。
まあ、このような感じで、ロンドンはファストフード天国である。
感動するほどの味を求めるのは無理だが、バラエティの多さと安さにつられて、つい足を運んでしまう。
人々がいたづらに脂肪の塊になっていくのも、うなづけてしまうほどだ。